SUPER GTでは年に一度の海外戦となるセパンラウンド。
赤道直下に位置する国、マレーシアで開催されるこのレースは例年灼熱のなか繰り広げられるため、ドライバーにとってもチームのスタッフにとっても熱く厳しいバトルとなることが予想される。昨年はポールトゥウインを果たしているが、ここまでの2戦を思うように進められていないウイダーホンダレーシングにとっては後半戦に向けて、絶対に落とせない大事な一戦となる。
曇り空のもと、例年より幾分か過ごしやすくなった予選日。今大会も第2戦に続き、スーパーラップ方式で行なわれた公式予選。スーパーラップ方式の予選は予選1回目で全15台中基準タイムをクリアした上位10台によって行なわれ、そのタイムが遅い順に1台ずつ出走する。各マシンの3周回目の1周のみのタイムを計測し、最終グリッドを決定する。
予選1回目を担当したのはカルロ・ヴァン・ダム選手。残り時間が4分を切った頃に赤旗中断となり、1周のタイムアタック合戦となった緊迫した予選を、ヴァン・ダム選手は9番手タイムでスーパーラップへの進出を決める。
約1時間後に開始されたGT500クラスのスーパーラップ。アタックを担当するのは昨年ここでポールポジションを獲得している小暮。2番目に出走し、ミスのない完璧なアタックで1分55秒321というタイムを記録。この後に出走した8台もこのタイムを上回ることができず、見事ポールポジションを獲得。小暮にとっては昨年以来1年ぶりとなる通算12回目のポールポジションとなった。
決勝日は朝から強い日差しが照りつけ、セパンラウンドらしい気候となった。
午後4時ちょうどにフォーメーションラップが開始、ウイダーホンダレーシングのスタートドライバーは小暮。トップのまま1コーナーに入った小暮は、速いペースで2位以下を引き離しにかかる。20周目あたりから徐々にピットインをするマシンが出てくるが、小暮は安定したタイムを刻みながら、後ろとの間隔をコントロールし快走を続ける。2番手のマシンがピットインした26周目の翌周にピットインを行ないヴァン・ダム選手にスイッチ。
ヴァン・ダム選手はタイヤを労りながら、迫ってくる2番手のマシンを抑えトップを守り切り、チェッカーを受けセパンでの連覇を成し遂げた。
大事な一戦を完勝で終えたウイダーホンダレーシングはポイントランキングも4位に浮上し、次戦は戦いの場をスポーツランド菅生に移す。