4年ぶりに短縮されていた距離を1000kmに戻しての開催となる伝統の鈴鹿1000kmレース。通常の約4倍の距離を走るこの耐久レースはシーズンの中でも最も過酷な一戦。長丁場レースならではの想定外の事態も予測され、チームの総合力が問われるのはもちろん、シリーズポイントランキングで5番手につけているウイダーホンダレーシングにとっては正念場のレースとなる。
晴天に恵まれ、気温は32℃と夏らしい気候の予選日。今大会は開幕戦以来のノックアウト方式の公式予選が行なわれた。ノックアウト方式はQ1、Q2、Q3という3セッションに分けられ、全15台の出走マシン中、Q1で上位11台がQ2へ進出、そのQ2で上位7台まで絞られ、Q3にて最終グリッドが確定する予選方式。
まずQ1の20分間を小暮が担当する。アンダー傾向なマシンだったが、いいペースを保ってアタックをしていたが、途中に他のマシンのアクシデントで赤旗中断となる。再開後のアタック中にデグナーカーブでコースアウトを喫し、かろうじて11番手タイムでQ2に進出する。次にQ2をカルロ・ヴァン・ダム選手が担当しアタックをしたが10番手タイムとなり、ここで予選を終えた。従って決勝レースは10番グリッドからのスタートとなった。
決勝日は青空が広がるも、朝のうちはところどころに雨雲が浮かび、8時からのフリー走行はウエットコンディションとなったが、決勝レースは完全なドライコンディションでスタート。173周という長いレースのスタートドライバーは小暮。
その小暮は長いレースを考え、速いペースを維持しながら、タイヤや燃費に配慮した走行で前を追う。ライバルの脱落により、順位を上げながら36周目に1回目のピットストップを行ない、ヴァン・ダム選手にスイッチ。代わったヴァン・ダム選手も安定したペースで周回を重ね50周を過ぎた頃には9番手を走行する。61周目に他のマシンの事故処理のためセーフティーカーが導入され、2回目のピットストップ。ここで再び小暮にドライバー交代を行ない、コースに復帰。小暮も残り100周と長いレースを考えながら、しっかりと確実に前との差を詰めていく。しかし、82周目に右リアタイヤにパンクが発生、ピットにスロー走行で戻ることとなる。そこでマシンの修復作業にも時間を要することになり10番手に後退する。この後、再びヴァン・ダム選手のドライブを経て、最後のピットストップで小暮がステアリングを握る。他のマシンのアクシデントで、再びセーフティーカーが入ったのち、レースが再開された161周目には8番手を走行。そのままの順位でチェッカーを受け、4ポイントを獲得した。