
SUPER GT第3戦は、実に5年ぶりとなった海外ラウンド。舞台はマレーシアのセパン・インターナショナルサーキットだ。セパンでのレースも2013年以来、12年ぶり。2014年からは海外ラウンドはタイでのレースとなっていたが、セパンはGT500時代にはシーズンオフのテストで走りこんでいたサーキット。2度の優勝を含み5度の表彰台獲得経験を持つ、相性の良いサーキットと言えるだろう。ここまで開幕から2戦、性能調整の変更もあり思うような戦いができていなかったが、久々の海外ラウンドをシーズンのターニングポイントにすべく、気合を入れて戦いに臨んだ。
今大会は南国の暑さも考慮して、金曜日の夕方に予選、土曜日の夕方に決勝という変則スケジュール。GT300クラスのチームは走行経験がほとんどないというチームも多く、木曜日から2回の練習セッションが設けられた。小暮の「VENTENY Lamborghini GT3」は1回目のセッションでクラス2番手タイムをマーク。2回目のセッションは7番手にとどまったが、予選のQ1突破、そしてポールポジション争いに挑むには上々の滑り出しだ。迎えた公式予選は、相棒の元嶋佑弥選手がQ1を担当。Aグループでの出走となったが、このグループではスポット参戦の地元チームがトップタイムをマークし、元嶋選手はそこから約0.5秒差の2分3秒628で5番手に滑り込み、Q2を担当する小暮にバトンをつないだ。公式練習ではアタックのタイミングやタイヤの状況などもあり2分4秒台のタイムにとどまっていた小暮だが、久々のGTレースとなったセパンのコースは走行が進むにつれてタイヤのラバーがどんどんと乗ってくることで路面状況が大きく向上。その効果もあり、Q2でのアタックはそれまでのコースレコードを上回る2分2秒603をマークし、3番手に。同じJLOCから参戦する87号車も4番手につけ、ランボルギーニのパフォーマンスの高さを示し、2台そろって2列目という好グリッドを得た。
翌日の決勝は、気温が高い時間帯を避けて現地時間の午後4時30分にスタートが切られた。0号車は第2戦同様に元嶋選手がスタートを担当。オープニングラップの接近戦の中でわずかに接触が起きるも、アグレッシブな走りでトップ2台を追い詰めていった。特に、2番手を走る18号車メルセデスAMGとは20周近くの長きにわたって手に汗握る戦いが続く。19周を終えるところでピットに向かい、後半スティントへ。26周目に全車のピット作業が終わったところで、0号車は3番手に復帰したが、小暮の背後には、3周ほど早くピットインした4号車メルセデスAMGが迫る。実は4号車は別レースとのバッティングによりレギュラードライバーが欠場。このスティントでドライブしていたのはこれが実質的にデビューレースとなった選手だった。決勝レースでのペースが良く、残り10周ほどになったところで両者の差は1秒を切る。いたるところで勝負を仕掛けてくる相手に、小暮は一歩も引かず。何度か並びかけられる場面もあったが、完全にかわされるポイントを的確に押さえ、相手のオーバーテイクを許さない小暮。観客が息をのむのも忘れるほどの激闘が数周にわたって続いた。残り4周、ホームストレートでGT500クラスの車両を先行させたタイミングでこの戦いは決着がつく。1コーナーへのアプローチで、前にいるGT500クラスに続いた小暮は、続く切り返しで4号車にイン側から並びかけられ、相手はそのまま前へ。若手の猛追を何とかかわしてきた小暮だったが、ここで4番手に後退することとなった。長く激しいバトルの中でタイヤも消耗し、0号車はさらに1台にかわされ5番手でフィニッシュ。ただしこの車両がタイム加算ペナルティを課されたことで、正式結果は4位となった。

 SUPER GTでセパンを戦うのは本当に久しぶりでしたが、チームとしてはアジアン ル・マンなどでレースを戦った経験のあるサーキットです。もちろんレースフォーマットを含めレギュレーションが違うので一概には言えませんが、ポールトゥウィンもしているのでいい戦いができるという自信はありました。実際、公式練習からタイムは出ていたし、予選ではチームメイトの87号車と揃っていい位置を獲得できたので、そのあたりは良かったと思います。決勝では、4号車とのバトルはだいぶタフでした。最後にかわされてしまったのは悔しいです。それでも上位フィニッシュができたことは良かったです。
          SUPER GTでセパンを戦うのは本当に久しぶりでしたが、チームとしてはアジアン ル・マンなどでレースを戦った経験のあるサーキットです。もちろんレースフォーマットを含めレギュレーションが違うので一概には言えませんが、ポールトゥウィンもしているのでいい戦いができるという自信はありました。実際、公式練習からタイムは出ていたし、予選ではチームメイトの87号車と揃っていい位置を獲得できたので、そのあたりは良かったと思います。決勝では、4号車とのバトルはだいぶタフでした。最後にかわされてしまったのは悔しいです。それでも上位フィニッシュができたことは良かったです。
※ 次回のレースは8月2日・3日の富士スピードウェイです。